《MUMEI》
爆弾男2-2
「おい、SPはどうした!!」
「なんでも、発電所が爆発したことで、すぐには来れないらしいぜ。」
「なんでもいいから、誰かあの爆弾男を止めてくれー。」
町の人々が騒ぐ。
その真ん中に爆弾男が立っていた。その男は爆弾を指先から放出している。
そこに、四人は到着した。
「奈帆の超能力は放水だったよね?」
惟が尋ねた。
「うん。」
「じゃあ、奈帆は消火をお願い。葵李と楓は町の人を避難させて。」
惟の言葉に三人が頷く。
「惟は?」
「私はあの爆弾男を止める。」
「分かった。」
「気を付けて。」
「こっちは任せて。」
三人が口々に言う。その言葉に惟は頷く。
「よし、行動開始!!」
「オー」
三人は自分の持ち場に向かう。
「さてと。やるか。」
惟は爆弾男の方に視線を移した。

「次は何を破壊するか・・・。」
「そうはさせない!!」と言う声とともに電磁波が飛び交う。
「誰だ!?」
「私は暁 惟。これ以上破壊を続けるなら私が許さない!!」
「はっ!!SPでも無い奴が俺に勝てるかよ!!」
「さあ、どうかな?とっ!」
惟の指先から雷の弾丸が放たれる。
爆弾男は爆弾を雷の弾丸に当てて、撃ち落した。
「対した事ねえ〜なーと、そんなんじゃあ、俺には届かねーよ。」
「くっ。」
「今度はこっちの番だ。」
男の手の平から、爆弾が放たれる。
惟は自分の右手を突き出した。爆弾はその手に当たると、跡形も無く、消滅した。
「ほう、なかなかおもしろい手を持っているな。」
言葉とは裏腹に明らかに少し動揺している。
「だったら、こいつはどうだ?」
男が両手を上に上げる。そこには、巨大爆弾がある。
「オラ〜。」
「(ふ、防ぎきれない。)」
爆弾が弾け、爆風と炎が惟を襲う。
「きゃー!!」
惟は吹き飛ばされる。
「ケホッケホッ。」
「おらおら。さっきまでの勢いはどうしたぁ。」
次から次へと爆弾を指先から放つ。それは、真っ直ぐに惟に向かって行く。
「(避けられない。)」
「死ねぇーい。」
「くっ。」
惟は目をつぶった。
しかし、何も来ない。
惟は恐る恐る目を開けた。
すると、すべての爆弾が鎮火していた。
「なんか、大変な事になってると思ってきてみれば・・・こんな雑魚か・・・」
「波・・・音?」
そう、すべての爆弾を鎮火させた人物・・・荒荻 波音!!
「まったく、暁 惟、なんて様?まぁ、いいわ、あんたはそこで、寝てなさい。」
「なんだ、また女か?張り合いねーな。」
「あれ?あんたは忘れたの?たった今、私に爆弾全部鎮火させられたの。」
「そ、それは・・・。」
「まっ、いいけど・・・。あんたは爆弾使いよね?」
「だったら?」
「じゃあ、これでいっか。」
波音は人差し指を男の足元に向け、それを上に上げた。すると、男の周りを囲む様に男の足元から、巨大なツララが飛び出した。
「なっ!?」
「イッツザショータイム。この爆弾男はマイナス五十度の氷の塊から、抜け出せるでしょーか!」
「さ、寒い。」
「じゃあ、爆弾で氷を溶かせば?まあ、自分も爆発に巻き込まれるけど。」
「くっ。」
それから、十分後、SPが到着し、事件は解決した。
惟はその日、一日入院した。

「バルカン様、爆弾使いが失敗しました。」
「あの役立たずが、これではクロノス様に合わせる顔がない。仕方ない、次はこの俺が直々に手を下す 。」
「はっ」

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