《MUMEI》 人狩り?「俺はさ、確かに不幸な人生を歩んで来たよ。けどさ・・・さすがにこれはねぇーだろーーーーーーーーーー!」 真条(しんじょう)光(ひかる)は今、無人島に漂着していた。 「なんなんだ一体。」光はその場に手足を大きく広げて、横になった。 「ちくしょう、俺はここで死ぬんだ。」 「おい」 「うるせー。俺は絶望したんだ。ここで死ぬんだ。」 「起きろ、新入り。」 「だからって・・・人?ひ、人がいる〜。」 「あん?何言ってやがる。ついてこい。俺らの基地に案内してやる。」 「(基地ってことは人がもっといるってことだよな?よかった〜、生まれて初めての幸運だ〜。)」 「おい、何してんだ?いくぞ。」 「はい!!」 ・・・ 「ここだ。」 「洞窟?」 「ああ、この中に千人の人間がいる。」 「千人も?」 「ああ、おっと、ついたぞ。おい、みんな、千一人目の人間が来たぞ〜。」 「来たか・・・かわいそうに・・・。」 「かわいそう?あの、ここはどこなんだ?」 「あん?あんた、無理矢理ここに連れて来られたんだろ?」 「俺は今日、海上スキーしてたら、ロープがブチ切れて、ここに流れ着いたんだけど・・・。」 「・・・そうか、運が悪いんだなお前・・・。」 「何のことだ?ここはどこなんだ?」 「ここは闇娯楽施設、人狩り場だ。」 「人狩り?なんなんだそれは?」 「その名の通り人を狩るための娯楽施設さ。」 「人を・・・狩る?」 「そうだ。人を殺したり、奴隷にするための人間を捕まえたりするために作られたんだ、ここに来た奴は自動的に登録される。そして、2週間逃げ切ったら解放される。まっ、今まで一人も逃げ切った奴はいないってハナシだがな。」 「そんな・・・。」 「まあ、まず着替えろ、海パン一枚じゃあ、寒いだろ?お前、サイズは?」 「Mサイズで大丈夫だけど。」 「んじゃあ、これだな?」 男は一枚のジャージと下着を手渡した。 「これは・・・。」 「それは人狩りの主催者からの支給品さ、毎日その日の人狩りが終わるたびに食料も生き残りの人間の分渡される、まっ、それだけでも奴らの情けってことか。」 ボーンボーン 「おっと、人狩り開始十分前だ、そこの陰で着替えろ、それとこれはタオルだ。」 「ありがとう。」 光は陰で着替え始めた。 「さあ、みんな、逃げろ〜」 男以外の人間は外に出て逃げ出した。 「おい、終わったか着替え。」 「ああ」 「おっ、けっこう似合うじゃねーか。ほら、これ好きなの選べ。」 「武器?」 「ああ。これで狩人を倒すんだ。」 「そんなこと・・・」 「いいか?こっちが殺らなきゃ俺らが殺られる。これは言うならば俺たちの生き残りを賭けた戦争だ。」 「けど・・・。」 「迷うな。」 「・・・分かった。」 光は拳銃を二丁と短刀を一本持った。 「それで良い。そういや、お前、名前は?」 「俺は真条 光。二十歳」 「そうか、俺は楠(くすのき)大吾(だいご)。三十二歳。」 ウ〜〜〜 「やばいあと五分で開始だ。いいか、一時間逃げ切れ。そしたら今日は終わる。」 「一時間・・・。」 「そうだ。必ず逃げ切って一緒に一杯くみ交わそうや。」 「ああ」 二人は外に出て別々に逃げた。 ーPM6:00ー 次へ |
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