《MUMEI》
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「そうかそうか。綺麗に出来たか…じゃ……ねぇだろォお!!!」
「きゃあぁあぁああぁあ」
「…すいませーん」
「なんだよその棒読みの悲鳴!!おちょ……」
「すいませーん!!!!!」
地図を持ったまま追いかけ回される一人と、追いかけ回す一人が止まり
声の方に顔を向けた。
「…あの、痛いんですけど。」
声の主の腕には、噛み傷。
「怪我?!」
「さっきから言ってるべすた!!!」
「…べすた?」
「うっ……そこんとこどうでもいいから!!!」
「べすたべすた」
「あ゙あ!!!」
「キャぁー!!」
再び追いかけられ、今度は本気の悲鳴を上げながら、一人が逃げ始め
他の二人は困ったように笑うしかなかった
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傷に手をかざす
一瞬そこが光に包まれる
「これで、よし」
「…あざす」
「どうイタメシ」
「………はは…」
一人が苦笑して自分の腕を一通り眺める。
そこにあった噛み傷はすっかり消えていて、
「…不思議だ……」
その一人は小さく首を振った
「…なんだって現実に化けもんが……」
運搬していた一人が呟いて
「さあ…」
また別の一人が首を傾げた
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