《MUMEI》

一方で神の薬と崇め
られる物が、もう一
方で悪魔の薬となる
天国と地獄は常に表
裏一体なのだ。


そこで国王は、精製
の中止を決め、精製
方法を知る総ての者
を処分し、秘伝書を
封印する事にして、
私にソレを任かせた


秘伝書を処分しなか
ったのは、国の大き
な財源となるからだ
。国が貧困に喘いだ
時の保険として…。


私に任された二つの
秘密はどちらも重く
厳しいモノだった。

私は、ある場所に秘
伝書を封印し、その
扉の鍵をロザリオと
して王と共に愛し子
に与えた。

こうすれば、どちら
の秘密も公になる事
は無いと考えたから
だ。

先の愛し子は、スク
スクと成長し私に全
信頼を預けて来る。
私は今更に自分の愚
行を後悔した。

愛し子の胸に下がる
ロザリオが重い枷と
なり、この子を国や
修道院、そして迫り
来る死へと縛り付け
る。

…国を守る為の犠牲

そう、ここに来て私
は、自身の犯した大
罪に気付いたのだ。


いつしか私はこの子
を生かしたいと願う
ようになった。

そうそして、いつか
誰かに国外に連れ去
って貰える様に出来
れば、そう考えてい
る。

その時が来たら、私
は迷わず命を賭して
でも、この愛し子を
逃がす事を誓おう。


………………………

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