《MUMEI》

『センセ〜こっちも
気持ち良くしてあげ
るからね。』

ご機嫌な剛史の声に
その手元を見れば、
カチャカチャとズボンのベ
ルトを外している。

胸への攻めで快楽に
霞む頭が一瞬、醒め
る。

『ちょっ、何し…ん
うんんっ…』

止めさせようとした
俺の言葉は相模原父
の唇によって阻止さ
れる。

深く貪る様に重ねら
れた唇は、幾度と無
く角度を変えて重な
り、俺の唇をこじ開
けて舌の侵入を果た
す。

他人の、しかも男性
の舌で口腔内を舐め
廻されている、と言
う行為の気持ち悪さ
に心と頭は悲鳴をあ
げ拒否反応を示す。

…うっ嫌だ、気持ち
悪い。

しかし…躯だけは…
まるで甘い蜜を貪る
が如く、自ら舌を絡
めて快感を求める。

…な、なんで、嘘…
嫌な筈、なのに…俺
の躯は…変になった
のか?…

軽くパニックになる
俺の耳元に相模原父
が囁く。

『ふっ、麻木先生。
随分と積極的ですね
、ん、ふっ…可愛い
ですよ、そう、もっ
と快感に身を任せて
…私達に溺れて下さ
い。』


そして再び始まる胸
への愛撫と貪る様な
ディープキスに躯だ
けで無く、頭や心も
快感に絡め取られそ
うになる。

『ああっ…』

そこに下半身からの
新たな刺激が加わっ
た。

気づけば、いつの間
に、ズボンの前を寛
(くつろ)げられて
いたのか、下着も下
げられ俺自身を剛史
に握られ擦られてい
た。

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