《MUMEI》
序章
とある村のとある寺院、古びた教会の、ある部屋の奥でそれは、目覚めた。

魂の回帰と、事ある無限の力を得、今、寝台からたちあがった一人のチャペル(僧侶)は、歳暮れた四十過ぎの、彫りの深い、壮年の罪人だった。

八年前、王宮裏殿にて、王女救出を手懸けた、若き盗賊王は、宮殿の護衛、テトラ・テンプルズに囲まれ、一命を失ったかに見えた。
その騒動を、魔術師リバーと、一連の仲間たちに、救出された、彼、マクベス・トリトーニャは、ここ、王城から、数キロ離れた、王執務長、ジョン・クレバーの、寺院にいた。

春踊る、宴会の前の、出来事だった。


続く。



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