《MUMEI》 …………… 昼休み。屋上。 教室で昼食を取ることを嫌う生徒たちがちらほらと集まっていた。 といっても別にいじめられている生徒がいるわけではなく、 むしろそのその逆。 クラスでも地位の高い奴らほどこういった場所に集まりがちで、 地位の低い者はこういった場所には足を踏み入れにくい。 ほとんどはグループで固まって昼食を取るが、 この日は珍しく、 1人でパックのレモンティーを飲みながら黄昏ている生徒がいた。 ガチャッ… 屋上へと繋がるドアが開く。 「…いる?」 屋上へと足を踏み入れ、 キョロキョロと辺りを見渡す2人組。 「いたいた。」 「やっぱここか。」 2人組はレモンティーの生徒に近づく。 「関谷。」 「ん…あぁ、お前らか。」 レモンティーは関谷。 2人組は日高と葉山であった。 「誰かに会った?」 「田島さんくらい。 でも何もね〜。 普段通りの感じで絡まれて終わり。 何で辞めてんだよバカ野郎!! 的な。」 「関谷もか… そうなんだよなぁ… ボコられんのかと思ったのに先輩たち普通だし。 1年も辞めないでくださいよ〜みたいな感じだったし。 ビビって損したわ。」 「つか2人ともさぁ…」 「「ん〜?」」 ※日高・関谷。 「別に俺に合わせて辞めなくても良かったんだよ? つか… 逆に申し訳ね〜。」 「バカ。 別に合わせてね〜よ。」 「そそ。 俺たちは俺たちで頭来たから辞めたの。 仮に良平が辞めなくても俺たちは辞めてたから。」 「そか…」 「あんま気にすんなよ。」 「うん…さんきゅ。」 前へ |次へ |
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