《MUMEI》

『チームの名前は海南クラブ。


いいな?


今度そのチームの試合の日付がわかったら連絡しろ。


学校サボってでも見に行く。


頼んだぞ。』















……………















ヤマトはそう言葉を残し、


電話を切った。


本人に聞けばいいのでは?


と翔太が提案するも、


本当にやっているのだとしたらそれこそ連絡を取りたがらないだろう。


というもっともらしいヤマトの意見に耳を傾け、


その手段を取ることはなかった。


ハンドボールを辞めたクロが、


再び始めたということを、


素直に話すはずがない。


翔太もそんな気がした。















……………















(クロさん…)



連絡を取りたいという気持ちをぐっと堪え、


そして気が付く。



「あ…やべバイト…」

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