《MUMEI》
黄色
ー新しい出会いー

ー放課後ー
優衣の所に行った。一刻も早く優衣の好きな人があの人なのか知りたかったから。
「優衣ー!」
「愛美ー!」
「担任、うっちーだョー☆」
内田清香。音楽科の先生で年も若いからか生徒から親しまれている。
「いいなー☆」
「愛美は?」
「やのっち・・・。」
「ドンマイ。」
「あっ。そうだ。」
本題に入ろうとした。
「優衣の好きな人ってヒロ先輩?」
「は?私がヒロを??」
「・・・違うの??」
「私の好きな人はそのヒロの友達のたっくん!!」
「たっくん??」
「ヒロの親友の西嶋拓弥。むちゃ優しいの。」
急に顔が赤くなった優衣を見て本当にその人のこと好きなんだと確信した。
「そーなんだ。私てっきりヒロ先輩かと・・・。」
「そうだ!たっくん見たい?」
唐突な質問に一瞬戸惑った。
「う、うん!」

高校の中庭に来た。優衣は誰かと電話をしている。
ー5分後ー
「もうすぐ来るってさ!」
「そっか!」

遠くから3人の男の人が歩いてくる。
3人???
ヒロ先輩とたっくんって人と後・・・誰???
そんな疑問を抱きつつ彼らはに軽く会釈をした。
「よっ!愛美ちゃん。」
「どーも。ヒロ先輩。」
「えっと・・・。」
優衣がヒロ先輩を冷たい目で睨み話を始めた。
「こっちが田所愛美。
私の親友。」
「よろしくお願いします。」
「んでこっちが・・・「俺は・・・」」
優衣の言葉を遮って話した彼。見た目は超クール。いかにも<モテますオーラ>全開!
「俺は西嶋拓弥。たっくんって呼んで!!」
この人が優衣の好きな人!!
真面目そうに黒ぶち眼鏡かけてるけど明るくて優しそう。確かに好きになる訳もわかる気がする。
「よろしくお願いします。」
「んで最後は・・・「俺も自分で言う!」
そう言って茶髪の彼は満面の笑みを見せた。
「俺は西条柊斗。よろしく!!愛美ちゃん。」
そう言って再び笑顔をみせた。見た目はたっくんと正反対で茶髪でチャラそうだけどとっても明るい人。
私は勝手に分析した。

それから他愛のない会話をし2時間が過ぎた。時計を見ると16:00。
そろそろ帰らなくちゃ・・・。
私今日、塾あったんだ。それでもなかなか言い出せず・・・。
すると・・・
体育館のほうから見慣れたスポーツバックを重たそうに担ぐ凌が見えた。
(といっても帰れる訳じゃないしね・・・。)

凌がだんだん近づいてくる。
「愛美!!」
その声にみんな反応した。
どうやら柊斗先輩は凌と部活が同じだったらしく凌は会釈をした。
「どーしたの?凌。」
「今日、塾じゃなかったっけ?」

キターーーーー!(^^)!

「あっ!忘れてた・・・。」
「みんなごめんなさい。私帰らないと・・・。」
「いいよ!じゃまたねー。愛美!」
「うん。」
そうしてみんなと別れた。

「ありがとーー凌。」
やっと校門から出ることができ安堵の表情を浮かべる私を見て凌は笑った。
「何?私に何かついてる?」
しきりに顔を触る私を見て凌は
「何もついてねーよ。」
そういって乱暴に私の頭をクシャクシャにした。
「やめてよー!!」
これが日課。
でも決して付き合ってる訳でもなくただの友達。家が近いからよく一緒に帰ってた。しかも同じ塾だから一緒に通ってた。

その頃、優衣達は
「あれ愛美ちゃんの彼氏かなー?」ニヤけて言うたっくん。
「優衣何か知ってるんだろーー?」
「知らないよ。でもあの2人は幼馴染だけど・・・」
「フーン・・・。」
柊斗先輩が言った。

「あの人達、誰?」
もうすぐ家に着こうとしてた頃、凌が突然言った。
「えっ・・・。」
「だから一緒にいた男の人達だよ!」
少し憤りを感じる声で言った。
「優衣の友達だよ。」
「そっかー!!」
凌の表情は柔らかくなった。
「何ー?私に嫉妬でもしてんの?」冗談で言ってみた。
「そうじゃないけど・・・。何かモヤモヤする。」以外な答えだった。馬鹿じゃねーの!そんな言葉が返ってくると思ったから。

今日もし凌とあの3人が逢わなかったらあんなことになってなかったんだね。

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