《MUMEI》

「プレゼントって…こんなの着れないぞ…」
「?」

何だかさくらはドレスを手に困ったような顔になっていた。

「あ、ノットソーエクスペンシブ(高くないよ)」
「エクスペンシブ(高価)だとかチープ(安価)だとか、そんな問題じゃないよ…」

それは着物のように前がクロスしていて、ウエストの辺りまで前が開いている、僕がさくらが一番綺麗に見えるだろうな…と思って選んだドレス。

「露出…し過ぎじゃね?」
「ロシュツ?」
「ぁー…イッツトゥセクシー?(これはセクシー過ぎる)」

さくらの魅力的な身体を隠しておくのはもったいないから、肌を出しても綺麗に見せるようなドレスを選んでみたんだけど…。

「ソーセクシー♪」
「ぅん…セクシー…」
「プリーズ ドレスイン♪(お願い、着てみて♪)」
「えぇ〜…///」

さくらは僕のプレゼントしたドレスを自分に当ててみながら、何か悩んでいる様子だった。

(サイズが気になるのかな…)

サイズはまだ教えて貰っていなかったので、タイトではなくて緩めの柔らかそうなデザインにしてみた。

そんなにさくらは太っていなさそうだったけど、バストが大きめだから本人が試着しないとタイトなものは選べないんだよね。

前に付き合っていた彼女もグラマーだったから、上は大きめ下は普通と変則サイズだったからプレゼントを選ぶのも大変だった。

だから、さくらの下着のサイズも知りたいんだけど…まだそこまでには至っていない。

いつかサイズも好きな物も全部教えて貰いたい、でもそれには仲良くならなきゃいけないんだろうなぁ。

さくらにもっと可愛がられるように、僕はもっともっと可愛くならなきゃね。

「ぅっ…ぁいたた…ι」
「ヴァスハーベンズィー!?(どうしたの?)」

今まで普通だったさくらが、急にお腹を押さえながらその場にヘタり込んでしまった。

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