《MUMEI》 = = = = = = = = = = = = = = = = 「あ!そういえばお盆にねー出張先のフランスからお兄ちゃん帰ってくるんだよー♪」 「お兄さん、帰って来るのか…」 「うん///」 以前、1度だけ会った事があるけど、この可愛い双子とは似ても似つかないくらい男前な人だった。 半分でもドイツが入ってるからだろうか、俺よりもっと背が高くて身体も鍛えているのかとってもマッチョだった。 外国人って…年齢上がってくるとあんなに変わってくモンなんだろうか…。 (もしかして、数年後にはかなたも…) 「ねぇ武〜可愛い?」 「あ…あぁ…」 UFOキャッチャーで取ってやったぬいぐるみを掲げながら、天使のようにめちゃめちゃ可愛いポーズを取るかなたを見てると、何かそんな事どうでも良くなってしまった。 「…お前ともうちょっと居たかったな…コレあるんだけどさ」 ゲーセンからちょっと歩いてきた辺りで、ふとジャケットの懐にあのチケットを入れてあったのを思い出してかなたに見せてみた。 「何それ?」 かなたに見せるとそれをジッと見つめた後、顔を真っ赤にさせてギュッとぬいぐるみを抱きしめた。 「う〜っ///」 「ダメか?」 かなたに見せたのはラブホのチケット。 「俺ら子供だし…そんな所///未成年だけでいけるの〜?」 「行けるだろ、貰ったんだしよ…」 ブラブラと歓楽街を歩いている時に配ってたから貰ったものだし、周りでちらほら行ってる奴らもいるワケだし…。 「ダメっ///絶対ダメ!」 「そっか…」 ちょっと慌てているのか怒っているのか、そんな様子を見てかなたの手からチケットを取って捨てると、その手をギュッと握った。 「ねぇ…ねぇ…」 「んー…」 かなたの手を引いて寮への道を帰る途中、話しかけてきたかなたに空返事をした。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |