《MUMEI》

「どうしよう〜ι」
「大丈夫だっつーの」

いつものように寮の裏手側に廻ると、周りよりは少し低くなっている塀があるのでそこにぬいぐるみとかなたを上らせた。

「…やっぱり見えるなぁ♪」
「何が?」
「かなたの可愛いモンが♪」

さっきから気になっていたのだけど、短パンを履いているから塀の上に登るとそのパンツの隙間からチラチラと可愛いのがこっちから良く見えた。

「バカっ///へんたい///」

塀の上に座ったかなたはそう言うと、顔を真っ赤にしてお尻を隠していた。

俺も塀に上ってかなたにキスをすると、先に塀の向こうに降りて上に座って待っていたかなたの手を取りぬいぐるみごと抱えて下ろした。


モジモジしているかなたと手を繋ぎ、部屋の窓の前まで来るとかなたが甘えて抱きついてきた。

「まだ…離れたくない…もっと抱っこして///」
「ん…」

可愛い事を言ってくるかなたを間にあるぬいぐるみと一緒に抱きしめながら、最後にキスをしようと顔を近づけていった…瞬間。

「コラっ!かなた、遅いぞ!」
「きゃっ!はるちゃん///」

急に窓が鳩時計のように開いて、そこから鳩…ではなく口うるさいはるかが顔を出して俺達を睨みつけていた。


「じゃぁな、かなた…」

ギュッとその細身な身体を抱きしめて、かなたの唇にキスをすると、名残惜しかったが唇をゆっくりと離した。

「うん…おやすみ武///」
「じゃぁな…かなた///」

かなたがさっきも言ってたけど、俺もまだ離れたく無い…。

もう一度…もう一度というように唇を重ねると、更に離れたくなくなってきて、何度も何度も唇だけじゃなく頬、瞼、鼻、あご、首筋……。

「武…///」
「…もういいだろ」

はるかはそう言いながら、窓辺で頬づえをついて俺達をあきれたような顔で眺めていた。  

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