《MUMEI》

「じゃあね…また明日会おうね///」
「当たり前だろ…じゃあな…」

部屋の出窓に腰掛けながら俺を見送ってくれていたかなたの手を離すと、かなたはすぐにはるかの元に駆け寄って行ってしまった。

(仲良いな…あの双子は…)

はるかの奴に『またぬいぐるみ増やしてどうするんだ』と怒られていたが、かなたが『いいでしょ〜お願いはるちゃん♪』と言うと、何だかうやむやになったようだった。



かなたと別れて自分の部屋に戻る途中、ちょっと肌寒くなってきたのでコーヒーでも買おうかと思ってポケットの中に手を突っ込むと、その中に何か布のようなものが入っているのに気が付いた。

「何だ…」

普段、当然ながらハンカチなんか入れる事は無かったので疑問に思いながらそれを出してみると、さっき見た覚えのある色のものだった。

「あ…///」

それはかなたの下着で、あのかなたが服を着ている時…どさくさに紛れて入ってしまったんだろう。

「……どうやって返そう」

教室で返すとかなたが恥ずかしいだろうし…。

(今度部屋に来た時に渡せばいいか…)

冷え込んできたので寮にある自販機の前で財布を出すと、コーヒーが買えるほどは残っていなかった。

「……部屋にインスタントが…切れたっけな」

真っ暗になっている寮の廊下を歩きながら、ポケットの中のかなたの履いていた男のだか女のだか分からない下着を握りしめて、ほんのちょっと”ラッキー”と思っている自分がいた。

下着を手にウキウキしてみたり、塀の下からかなたの恥ずかしがる姿を見てニヤニヤしたりして…。

俺も、立派な変態…なのかもな…。

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