《MUMEI》 あれからというもの、 彼とは、話という話はしていなかった。 あの時から私は 日直が回ってくるのが 少し楽しみで、 押しつけられるのも 悪くないなーなんて思ってたり… 放課後は、毎日のように 教室からサッカー部を覗いた。 そんな 見ているだけの 恋だったけど 私にとって 初恋というものだった。 「席替えしまーす」 突然の担任の言葉。 「えーーっっ」 「やったー!!」 教室が一気に 騒がしくなった。 あんなにはしゃいで バカみたい… そんなことを思いながら 騒ぐクラスメートに冷たい視線を送りながらも 彼と隣になれるかも知れない …と、淡い期待を抱いていた。 前へ |
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