《MUMEI》

あれからというもの、
彼とは、話という話はしていなかった。


あの時から私は
日直が回ってくるのが
少し楽しみで、

押しつけられるのも
悪くないなーなんて思ってたり…

放課後は、毎日のように
教室からサッカー部を覗いた。


そんな
見ているだけの
恋だったけど

私にとって
初恋というものだった。



「席替えしまーす」


突然の担任の言葉。


「えーーっっ」
「やったー!!」

教室が一気に
騒がしくなった。



あんなにはしゃいで
バカみたい…

そんなことを思いながら
騒ぐクラスメートに冷たい視線を送りながらも

彼と隣になれるかも知れない

…と、淡い期待を抱いていた。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫