《MUMEI》 水瀬も早紀さんの浮気は初耳だったらしい。 しかし元々恋愛は派手で落ち着き始めたのはここ最近の話だそうだ。 「どうすればいい?」 「なんで俺に聞くの」 乙矢は机に向かって黙々と本を読んでいる。背中越しだから話しやすい。 つい乙矢に意見を仰ぎに来てしまう。……ベッドふかふかだし。 「友達だろー?」 「いや、あいつは腐れ縁。ガキじゃあるまいし。勝手にどうにでもなるだろ」 うおー涼しい。零下です。 「俺は七生に幸せになってもらいたいし。」 ベッドに寝転がる。柔らか〜。 乙矢は本を閉じ俺を見据える。眼鏡を軽く上げる仕草がやけに色気がある。女なら完全に惚れてた。 ドサ 乙矢は寝転がる俺を跨いで来た。 真横に乙矢の指があった。何にも言い出さないので不安にかられる。 「……勿論、乙矢にも幸せになってもらいたい。」 しばし、沈黙。 じっとしてるの辛い。乙矢が影になって視界が暗い。つか、苦しい。乙矢上背がある分重…… 「 ……皺になるからゴロゴロしないように。」 真横で指がベッドカバーを伸ばした。そしてまた机に戻り読書を再開し始める。 ……何だ?こんなに神経質だったっけ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |