《MUMEI》

年末 人混みで賑わう街へ家族と年の瀬の買い物に出かけていたケンイチは人混みに疲れコーヒーショップへ逃げ込んでいた

「あれ?ケンイチ?」

先日、20年ぶりの同窓会で久しぶりの再会を果たした高校生の頃の恋人ヤスコだった

「お  おぅ! 今日は? 買い物?」

先日の再会のときは、特に何も感じなかったケンイチだったが、こうして日常の中で突発的な出会いがあると妙に意識してしまっている 会話が少しぎこちない

「うん、今日は旦那とね、子供は実家に預けてきたからちょっとのんびりしてるよ。今はお互いに単独行動中なの。」

「そっか、俺も家族で出て来たんだけど、ちょっとくたびれちゃってさ。ま、買い物と子守りはかみさんに任せて逃げてきた。」

「うわぁ、まるでお互いに育児放棄だね」
ヤスコがけらけら笑う。


「そんなコトないよ!買い物っていっても、俺は財布として必要とされてるだけなんだから、支払いの時が活躍の時」
ちょっとあの頃のように強がってみる。
弱さを認められず、互いに甘えてばかりだったあの頃のように。

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