《MUMEI》

…ただ、総ちゃんは
僕の場合と違って先
に世良くんと友人関
係だったから、自分
の気持ちが解りにく
くなっちゃってると
思うんだ。


『総ちゃんは、さ。
一度世良くんの事を
離れて見てみたら良
いと思うよ、僕は。
そうすれば、近すぎ
て解らなかった答え
も案外簡単に解るか
もしれないよ。』


『世良を離れて見て
見る?それって…』

隆の言う言葉の意味
が解らずに首を傾げ
る総一郎に、ヘラリ
と笑い手に下げてい
た紙袋を見せる隆。


『なんだ?ソレ?』


『えへへっ大丈夫だ
よ、僕にまかせて!
総ちゃん。良い計画
を思い付いたんだ。
明日ね、朝また来る
から…じゃあね!』


中身を覗こうとした
総一郎から紙袋を隠
すように引っ込めて
隆はパタパタと足早
に帰って行ってしま
う。


『あ、おい隆?…な
んだ、アイツ…意味
解んね〜よ』

言うだけ言って置き
去りにされた総一郎
はポカンとして暫く
その場に佇んでいた

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