《MUMEI》
世良と勝山先輩
世良は、神品からの
電話を切って歩き出
した、勝山先輩を捜
す為に…。

…先輩が総一郎に何
を言ったのか?問い
ただす為に。

学内を尋ね歩けば、
さほど時間は掛から
ずに目的の人物へと
辿り着けた。


『よぉ世良!お前、
東と帰らなかったの
か?ってか、その頬
はどうした?腫れて
るぞ。』

呑気にベンチに座り
タバコを吹かしてい
る姿に、イラつく世
良。


『勝山先輩、ちょっ
と良いですか?』

感情を抑えながら声
をかける。


『ん?あぁ、どうし
た。んな怖い顔して
〜?』


『東に何か言いまし
たよね?』


『ああ…クスクス…』

世良の顔を見ながら
笑い出す勝山。


『何を言ったんです
か?勝山先輩。』


『俺がお前を狙って
る事を言ったかな〜
?まっ、ライバル宣
言ってトコロだよ』

ベンチから立ち上が
り世良の肩にポンと
軽く手を乗せる勝山
。しかし、即座にそ
の手を振り払う世良
の瞳はきつく勝山を
睨む。


『ふざけないで下さ
い!』

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