《MUMEI》
プロローグ
―私だけなぜこんなに苦しまなくちゃいけないんだろう。なぜ私なの?―
この問いの答えは結局わからなかった。

また一日が始まった…私は朝が大っ嫌いだ。朝は私に辛い現実を思い出させる。ずっと夢の中にいたい。きっと、そこだけが私が私でいれるところだから。
「あかり〜朝ごはん出来たわよ!速く下りてらっしゃい!」
お母さんの声が聞こえる。朝ごはんだって(笑)そこら辺のコンビニで買ったくせに。
お母さんは私に何も言ってくれない。大切な事はなにも。そもそも何故あんな奴と再婚したんだろう。再婚なんてしなくてよかったのに。

…三年前、お母さんは一人の男と知り合った。その時は再婚なんて考えもしなかった。だけどこの冬いきなりアイツがお母さんにベタベタくっついてきた。そして、アイツらは再婚した。

私は、アイツが大嫌いだ。いつもベタベタくっついてきて。おまけにナルシスト。最悪

「ほら、早くしなさい!私はあんたと違って忙しいのよ!」

最近ずいぶん仕事塲に早くいくようになった。その理由がアイツと会うためだって、バレてないとおもったら大間違いなんだよ。

「じゃ、私もういくから」

あらあら、今日は一段と速いご出勤だこと。思わずそう思った。まあ一人の方が気楽でいいけど。
また学校でも気を使わなくちゃいけないのかと思うとため息がでる。前は素直に笑っていたのにね。
中学サボろっかな…
なんとかその誘惑に耐えながら今日も学校へ行く。まぁ、アイツが同居しないだけいいだろう。そのうちするけど。今はアイツの息子が受験だから同居しないだけで、受験が終わったらするだろうな。いつも私の事は考えないんだから。
お母さんは
「あかりのため」
と言っていた。嘘ばかり。



作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫