《MUMEI》

………………………………



ハンド部大量退部事件から数日。


事件の当事者たち、


関連する者、


この時点では全く関係のない者、


それぞれの思惑がまだ孤立した1つ1つの点のまま、


ゆっくりとその点は、


1つの線として繋がり出そうとしていた…



………………………………















昼休み。1-A教室。



「椎名ぁ!!」



「ぶっ…!!」



突如入り口から名前を呼ばれた椎名。


コーヒー牛乳を吹き出しかけた。



「…あんま大声で呼ばないでください。」



クスクス…



クラス中が注目していた。


教室入り口から椎名を呼んだのはユキヒロ。


椎名と一緒に千秋も入り口へ。


佑香は知らん顔。



「こいつ新入部員ッ!!」



「!」



椎名の表情が変わる。


ユキヒロの隣には、


見るからにガタイのいい男が立っていた。



「峰田隼人。よろしくな。」



「マジ…マジでハンド部入ってくれんすか!?」



「うん。」



椎名、千秋は顔を合わせ、


そして笑う。



「4人目ぇッ!!!!」



「ちょ…!!あたしは!?」



それまで無関心だった佑香が立ち上がる。


会話はしっかり聞いていたらしい。

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