《MUMEI》

………………………………



放課後。


少ない人数とはいえ一応活動を認められているハンド部。


部室の使用権も何とか許可されていた。



………………………………












ハンド部部室。



「ささ、狭いとこですがど〜ぞ!!」



椎名が峰田を迎え入れていた。



「いや…
むしろこの人数なら狭くね〜だろ。」



シーン…



「あ…わりわり。」



「いやいや!!
全然大丈夫っすよ!!」



「…っと。」



荷物を置く峰田。



「よろしくな。」



そして挨拶をした。



「あの…聞いてもいいすか?」



口を開く椎名。



「何?」



「峰田先輩は、
何でウチに入部してくれたんすか?」



「あぁ、そんなことか。」



そう言いながら、


峰田は籠に入っていたボールを手に取る。



「楽しそうだったから。」



「え?」



答えは予想以上にシンプルであった。



「野球部よりも…な。」

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