《MUMEI》

「千秋はそれでいいにしても、問題は逆サイとキーパーっすよね。」



ユキヒロたちの会話に割って入る椎名。



「だな。
誰でもいいってポジションじゃねえからな。」



答えるユキヒロ。



「あ、はい。」



突然手を挙げる峰田。



「何?」



「質問なんだけど。」



「言ってみ。」



「キーパーってのは何となくわかるけどさ、


逆サイって何?


イマイチピンと来ない。」



「ん…」



言葉に詰まるユキヒロと椎名。


実際のところ、


ポジションの説明を口でするのはかなり難しい。



「そうだな…
簡単に言うと走るポジションだ。」



「へ〜...
じゃあ足速い奴がやるポジションってわけ?」



「できればな。」



「あ、あと逆サイの場合は左利きの方が有利っすね。


ま、


ウチの場合人数少ないんでそこまで高望みはできないんすけど。」



ユキヒロの説明に付け足す椎名。



「足が速い左利きの奴ね…」



考え込む峰田。



「…俺、1人心当たりあるかも。」



「え…!?」



峰田の言葉に反応するユキヒロと椎名。



「部活やってなくて足速くて左利き。」



「誰!?俺の知ってる奴!?」



「E組の関谷。
知ってるかどうかは知らん。」

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