《MUMEI》
ゴッドサイキッカー3-3
「何!?あれ？」
そこは戦場と化していた。
「死ね〜!!」一人の男が右手から炎を放つ。
「させるか!!」さっきぶつかった少年の手に砂が集まり、水泡となる。そして、男に向かって行く。
炎と水がぶつかり合う。
男が左手から、さらに炎が放たれる。それと同時に惟が駆け出す。
「あっ、惟!!」葵李が後ろで叫ぶ。
惟は少年の前に立ち、両手を炎に当てる。
それと同時に炎が弾け、消滅する。
「なっ!?」
「君はさっきの・・・」
「話してる暇はないですよ。」
惟は人差し指を男に向ける。
そして、そこから電撃が放たれる。
男はそれをよける 。
「ほう・・・。ちっとはやるじゃね〜かよ。」
男はさっきよりも大きな炎を放つ。
惟はそれを手に当て消滅させる。
「おらおら。」
次から次へと炎を放つ。
「ふ、防ぎ切れない。」
少年が惟の前に立ち塞がる。
ドン
少年の体が宙に浮いた。
ズザザザ
「だ、大丈夫ですか!?」惟が駆け寄る。
「だ、大丈夫だ。それより・・・あいつを・・・。」
「惟、大丈夫?」葵李が駆けてくる。
「葵李、この人をお願い。」
「う、うん。」
惟は少年から目を逸らし、男を見据える。
「許さない。」
「あん?」
「私は、私は絶対にあなたを許さない!!」
ズガン
惟の周りを電撃が取り囲む。
「来なさい。私があなたを倒す!!」
「面白い、やってみろよ。このゴッドサイキッカーのバルカン様に貴様が勝てるわけ無いけどな。」
「ゴッドサイキッカー?」
「そうだ。お前が俺に勝てるかな?」
「ええ。」
惟の手から、雷撃が飛び出す。
男が放つ炎とぶつかり合い、どちらも消滅する。
「おらおら!!」
またしても炎の連打。
しかし、惟を取り囲む電撃により、炎が消える。
「チィィ!!」
「負けない。私は、絶対に負けない!!」
ズガーン
惟の指先から、雷の剣が飛び出す。
「チッ、いったん引くか。」
男は消えた。
「テ、テレポート・・・。」
「ありがとう。助かった。礼を言う。」
「動いて大丈夫ですか?」
「ああ。大丈夫だ。」
「良かった・・・。けど、犯人を逃がしてしまって・・・。」
「気にするな。俺たちSPが，必ず捕まる。」
「SPだったんですね。」
「ああ。俺は千羽 銀夜。よろしく。」
「あっ、私は暁 惟です。それとこっちは・・・。」
「笹奈 葵李です。よろしくお願いします。」
「よろしく。」
ビービービー
「はい。こちら千羽。なんだ、悠か。」
『俺で悪かったな。それより、犯人は』
「悪い、逃がした。」
『そうか』
「すぐに戻る。」
『ああ。』
「それじゃあ、暁、笹奈。気を付けて帰れよ。」
「はい。」
こうして事件は解決した。
「(にしても、ゴッドサイキッカーっていったい・・・)」

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