《MUMEI》 世界戦争15ー2「だなっ」 「だねっ」 「いやっそうじゃなくて街が死んでるっていうか、だってこの2〜3時間他の防衛隊や警備ロボを見かけてないだろ」 「たしかに言われてみればそうだな。人っこ一人いやしない」 「司令部に連絡を取ってみよう『こちら第9防衛隊ここ2〜3時間ほど他の防衛隊などとの接触がないのだがどうかしたのか?』」 「『地上は…全ではない…今…戻…』」 『地上は安全ではない為、今すぐ戻れ』と言っているのだが雑音が酷く上手く聞き取れない ザーーーザーーザーー 雑音が鳴り響く。 「電波障害なんて珍しいな。なんかあったのか?」金慈がつぶやく 「なに言ってたかさっぱり分からないから自分たちで何とかするしかないな」 「でも相当やばいよね防衛隊も警備ロボも見かけてないし、司令部の方との連絡もうまくとれないしさ。もしかして何者かがこの街に侵入して隠密にこの街を乗っ取ろうとしてたりしてってことが考えられない?」 「確かにその可能性は考えられるな。さすがは仙一エリート教育専門学校生」 「まぁこんなもんじゃない?えっ?!」 3人の会話が止まる。なぜなら曲がり角を右に曲がったところで道路上に防衛隊と思われる人が倒れ込み、警備ロボの残骸が転がっていたからだ。 どうやら交戦をした後らしい。 3人は倒れ込む防衛隊に近づき意識を確かめる。 「おい!!大丈夫か?!しっかりしろ!!」 金慈は倒れ込む防衛隊の男の体を強く揺さぶる。その男は金慈と高麻のクラスメイトで口からは少し血が吹き出て反応は無かった…。 「どけて金慈」 「おっおう」 華絵美はしゃがみ込み男の胸に耳を置く。 「音がしない?!!」 今度は首に手を当てる。 「ふぅ」 「どうなんだ?」 金慈が焦った表情で聞いた。 「いちよう生きてはいるみたい」 「いちようとは?」 高麻が聞く 「私にもわかんないけど心臓が動いていないのに脈があって体温が低下してないんだよね」 「どういうことだ?ここで一体なにがあったんだ?もしかしていままで他の部隊を見なかったりしたのはみんなこうなったからなのか?」 「さぁ、あっ!あの残骸の一部を使えばなにか分かるかもしれない」 華絵美は警備ロボの残骸の一部を手に取り目を瞑った。 「…」 「どうだ?華絵美」 「うん、どうやら能力者の仕業みたいだね。それも外国人…」 「外国人?能力者で外国人ってこの都市に何人居たかわかるか?高麻」 「ああ、いちよう全てわかるがなんていっても少ないからな。そいつの特徴を教えてくれ」 「多分見た感じからして性別は色白の女で金髪だったからロシア人かその辺だと思う」 「ん〜、それに該当する能力者は俺の記憶にはないな。っとなるとクレムリンの能力者か?だよな日本の独立都市以外で超能力を持っているのはクレムリンの他にいないはずだ…」 『まさか奇襲?!』 前へ |次へ |
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