《MUMEI》 チカラと言う運命共同体とも言える仲間を得た俺は、本人が気付かないままに田中を仲間外れにしている。 そのつもりは無くとも、 俺がチカラといるだけで、勝手にその事実は積み重なっていく。 もちろん、俺が勝手にそう感じているだけかもしれないが… 「じゃ、俺部活戻るわ。(まだ行ってねぇけど…)」 「おー。俺も寮に帰るかなぁ。今日の夕飯なんだろ。」 善彦は、使うつもりもない教科書を適当に自分の机から引っ張り出すと、それを見ていた田中も伸びをしながら立ち上がる。 ―カツリ 「…?善彦、今のなんの音?」 「…?なんか聞こえたか?」 「んー?気のせいかな。」 ―カツリ 「あ、また。」 「今の音か?なんだろ?ベランダ?」 「?」 2人は顔を見合わせながら、開けっ放したままの窓からベランダを覗く。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |