《MUMEI》

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ツギハ ワタシノ バンデスヨ


快感に溶けて霞む頭
に響く、その言葉に
俺は、目を見開いて
目の前の相模原父か
ら逃れようと足掻い
た。

だが、素早い動きで
ソファーから引きず
り落とされ、床一面
を覆う柔らかな絨毯
に、仰向けに寝転が
らされた。


『っう…』

落ちた拍子に後ろ手
に縛られた腕を打ち
付け、声が漏れる。


『あぁ、すみません
痛かったですね。』

俺の声に相模原父が
背中に手を廻し拘束
していたシャツを解
き両手を解放した。


『もー親父ィ〜ガッ
ツキ過ぎィ〜センセ
に痛いコトすんなよ
なぁ〜、痛かったで
ちゅよね〜、ねっセ
ンセ?』

ニコニコ笑顔の剛史
が、俺に近寄りヨシ
ヨシと頭を撫でる。


『なっ…ふ、ざけっ
…ん…なっ…』

明らかに年下の、そ
れも教え子に…赤ち
ゃん言葉で話し掛け
られて、頭まで撫で
られるなんて……

余りにもな、屈辱と
羞恥で怒りに赤みを
増す顔。


『あっ、怒ったぁ?
クスクスッ…でも怒った
顔も、かっわい〜い
のっ!トマトちゃん
みたいでちゅね〜』

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