《MUMEI》

"痛い?"

一番でかいあざを触りながら聞く

"うん"と素直にうなづいていいものか、困惑してるように美羽は口を閉じてしまった


不意に、涙が出た

俺、マジで何してんだろ


"ハル?"

"こっちむくな"

大きな声で、言った
美羽に背を向けたら、

大丈夫だよというように
背中にぴったり
くっついてきた


向きを変え抱きしめる

ごめん

初めて謝った


"美羽、俺と別れて。このまま一緒にいたら、俺お前のこと殺す気がする"

だって今でも、
泣きながら反省しても

俺の本能は
まだ美羽を壊したがってる


"別れないよ、ハル"

なのに何で、わかんないの?

何でお前は、
そんなに俺に優しいの?

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