《MUMEI》 「はぁ……はぁ……」 椎名はその場に倒れこむ。 「はぁ……はぁ……」 関谷は信じられないという顔で、 ただただその場に立ち尽くしていた。 (俺が…負けた…?) 「はぁ……はぁ…… ど…どうすか先輩ッ…!! 俺の…俺の勝ちっすよッ!!」 最後の加速。 勝敗のポイントはまさにそこであった。 それに気付いていた関谷は、 ようやく現実を受け入れる。 (これが…今の俺… 部活辞めて… 練習休んだブランクが… わかっちゃいたけど… こんなに…違うもんなのか…) 「はぁ……はぁ……」 むくっ… 立ち上がる椎名。 「…悪かったな。」 「え…」 関谷の返答に驚く椎名。 表情はまるで生気がなく、 一目で落胆の様子が伺えた。 「…」 関谷は自分の荷物を拾い、 その場を後にした。 椎名と千秋は、 ただただその様子を見ているだけだった。 (情けねぇ……) 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |