《MUMEI》

ガンッ!!



「って!!」



数十分後、


授業を終えたユキヒロは事情を聞き、


椎名の頭を叩いた。



「くだらね〜ことしてんじゃね〜ッ!!」



「す…すません…」



「ったく…」



ため息混じりのユキヒロ。



「しかしよく勝ったなお前。」



着替えながら話す峰田。



「はい…あ、いやでも…」



「?」



「多分短距離だったら普通に負けてました…


多分っつ〜か…間違いなく…


あの人めちゃめちゃ速いですよ。」



「まぁ陸上部の元エースだかんな。」



「正直…


性格的にはあれですけど…


入って欲しい人材ではあります…」



「…んなことわかってんだよ。」



「え…?」



「お前はさっき途中で消えたから知らね〜かもしんないけど、


別に関谷はそう悪い奴じゃね〜よ。


つか…


俺はあいつの気持ち何となくわかる。」



「…どゆことすか?」















ユキヒロは峰田から聞いた話。


関谷の陸上部退部までの経緯を椎名に話した。















「そうなんだ…」



「あぁ…


あいつは悪い奴じゃね〜よ。


俺の勝手な解釈も入ってっけど、


マジで部活好きだったからこそ辞めたって部分もあったんだろ。


そりゃ凹むって。


ついこの前まで俺もそうだったからわかる。」



「…」



「また…勧誘してみましょうか。」



「ん…


行くだけ行って声は掛けよう。


入るか入んないかはあいつ次第だ。」



「うっす。」

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