《MUMEI》

ただ毎日自分だけの快楽を追い続けた

誰もが羨む可愛い美羽を
思い通りできる
酷い扱いができる

これ以上の快楽はない



でも自分のことしか考えていない俺も、さすがに気づいた

ここ何ヶ月かで
美羽が日に日に
痩せていったことに

"お前、痩せたよな?"

"うん"

"何キロ?"

"7キロ"


元が太ってる奴なら大したことない

だけど元々痩せ気味の女子高生が、普通に生活してて7キロも減るのは異常だ

びっくりして、久しぶりに美羽のことをじっくり見た


血色のよかった白い顔に、今は肉が全くない
青白くなっている

どこを触っても柔らかかった白い肌は、あざがつき、骨が浮き出ている


今まで気にならなかった俺がバカみたいに、美羽は変わっていた


ここまでくれば
イヤでもわかる

拒食症だ


"美羽"

なに?と振り向く

虚ろな目、
それでも少し緩める口元


俺は、やっと気づいた


俺は、もう完全に
こいつを壊しちまった

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