《MUMEI》

美羽と別れて一年


もう学校で
美羽の話題を出す奴はいない

美羽は今度こそ
完全に
この学校からいなくなった


俺はバスケ部を引退し
公務員の採用試験を受けることにした

本当は大学を受験するつもりだったけど

あと四年間、
学生のままだらだらするのが嫌だった

早く大人になりたかった


特定の彼女は
あれ以来作っていない

俺の頭と心は
今でも完全に
美羽のものだから


ただ身体だけは
いうことを聞かなくて

どうでもいい女とやっては、その場しのぎで欲求を満たした



結果的には、俺
繰り返しちまってんだな

女を使って泣かして
欲求を満たして

やっぱ人間て、
救いようねぇな



だけど、美羽

俺、見失ってはないよ

お前がくれたものを



行動は同じでも
心はもう
あの頃と同じじゃない


今は、ちゃんと
"生"が見えている



人間なんてくだらねぇ

でもそれでも
まだ生きていたいと、
俺の全てが望んでる

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫