《MUMEI》
君のもとへ
悲しくて、辛くて

止まらない涙をなんとかこらえて

私は暗い廊下に出た。


「はぁぁ・・・。」


詰まってた気持ちを吐き出すように、

長い溜め息をついた。

ふわっと

暗闇が動いた気がした。


(あれ?誰かいる?)


近付くと


彼がいた。



「すぅ?なんでここに・・・」



そこまで言って、気が付いた。


(あぁ。あんな場面見て、知らん顔できないもんね。)


そっと彼に近づいた。

生きてるときには近付けなかった距離。

彼は気付かない。

頬に触れる。


「泣いてる・・・の?」

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