《MUMEI》
世界戦争15ー5
翌日7月6日、戦争の勢いが増し、樺太から西日(現代でいう朝鮮半島)までの日本領や、最北(現代でいうロシア連邦のカムチャッカ半島)を占領されてしまい市、いや日本はゴッドスレイヤー帝国に救援を求めた。
だがまだゴッドスレイヤー帝国の救援は来ておらず、日本はパニックに陥っていた。
金慈は自分の寮室で一人、頭を悩ませている。
「一体どうすればいい?…俺は何も出来ずに死ぬのか?」

『金慈様、お客様が来ております。お通ししますか?』
「ああ、…ってあいつは確かぁ〜…フランス科学聖教ネクトリアだかのローラル・セファルト?!…」
『お客様が部屋の入り口に到着しました。お通ししますね』
「ああ」
「お邪魔します。お久しぶりですね原丘 金慈さん私のことを覚えていますか?」
「おう、フランス科学聖教ネクトリアのローラル・セファルトだよな。どうしたんだ?わざわざここまで訪ねて来るなんて…ってか何故にこの部屋に俺が住んでることを知ってる?」
「知ってますよ。あっそうだったあのですね今回私が出向いた理由はあなたに協力を頼むためです。」
彼女が言うと金慈は言った。
「ロシア教会(サーラトゥル)が仕掛ける作戦の阻止か?」
「はい、厳密に言うとロシア聖教サーラトゥルが仕掛ける大魔術『不幸抹消』(ソロゥイレイザー)発動を阻止ですけど協力してはもらえないでしょうか?」
金慈は即答で答える。
「もちろん協力するけど作戦の内容を詳しく頼む」
「わかりました。我々ヨーロッパの優れた魔術師の中から選ばれた精鋭部隊計11名は敵本拠地サーラトゥル大聖堂に侵入し術士の討伐及び魔法陣の破壊、準備は整っていますか?整っているのなら今すぐ出発しましょう」
「ああ行こうぜ」
「はい、移動にはSPC製の中型ステルスジェット機を使用しますけど飛行機は大丈夫ですか?」
「おう、全然大丈夫だぜ」
「なら空港へ急ぎましょう」

「ちっ、帝弩はまだ意識不明のままなのか?」
天雷風山市立中央高層病院の一室でフロップが言った
彼は帝弩の見舞いに来たのだ多分…
「そうか…帝弩の神(データ)を取り込めば最強の力が…」
フロップは帝弩の頭にゆっくり手を近づける。
「くそっ、手がこれ以上」
フロップの手は帝弩の頭の前で止まった。
「(何故触れられない俺をフロップにしたやつなんだ。チッ」
病室のドアが開く。
「!」
フロップは消えていた。

天雷風山国際空港、世界中の許可証を持ったVIPなどしか殆ど使わない特殊な空港
「これかぁ〜デケェー」
金慈はローラルたちのジェット機を前に言った。
これはSPCからいただいた最速のAI搭載ステルスジェット機なんですよ。このジェット機は緊急時にしか使用されませんからサーラトゥルの発動させようとしてる魔術『不幸抹消』(ソロゥイレイザー)はそれほど危険度が高いってことです」
「そうなのか、その『不幸抹消』ってのはどんな魔術なんだ?」
「『不幸抹消』というのはイエス・キリストが生まれた7日の幸運を利用した魔術でその6日後、13日に完全発動する魔術です。
仕組みは7日の幸運のバックアップをとります。そしたら13日の不幸の日に術師の不幸と認識したものを全てを7日のバックアップで上書きします。そうすることによって不幸を抹消して思い通りの世界を作れるってわけです
「魔術ってのは怖いな」
「はい、ですがここまでの大規模魔術となると準備も大変なんですよ」
「そうなのか…」
「さあ、乗って下さい」

「ふっ、海竜、侍、天空、神風撃沈か…500年前の戦艦にしてはよくやった残っているのは戦艦大和弐式と参式あと天空も一船だけあったか。さてっアレを使うか使わないか…」
超高層ビルの最上階の一室で大量の浮かび上がるモニタをみながら言う一人男。
「ゴッドスレイヤー帝国から通信がありました。」
「なんだと」
「明日の日暮れまでにはなんとかしようとのことです」
「そうか、行っていいぞ」
「了解です」
「使わなくてもいいようだ」
男は不気味に笑った。

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