《MUMEI》
プロローグ
「ボルテノス放電せよ」
青色の雷が鎧を着けた兵士の手から飛び散る。それは別にその兵士が特別だからではない、同じ鎧着た兵士の手からも飛び散っている。
兵士の手をよく見ると手から出ているのではない、手の平で小さな魔方陣を作ってそこから発射しているのだ。
「やっやめてくれわかった降参する。うわ〜!!」村人たちは殺されていく…
「こっ子供たちだけはっ」
子供たちを守ろうと必死になる男はボルテノスの一言で倒れた。
「邪魔なゴミめ」兵士は死んだ村人を蹴り飛ばし言った「さあ、お楽しみの時間だ」
兵士は子供たちが隠れてる倉庫に入る。
「餓鬼共、出てこい自分から出てきたいい子は生かしてやる」
兵士の言葉を聞いた何人かの子供が近寄って来ると「ははははは、生かす訳ねぇだろ。ボルテノス」と言って子供たちを騙し次々と殺していった…
「みっみんながっ」金髪の幼い女の子が小声で言った。
「大丈夫だ俺がついてる」少女と同じくらいの少年は小声で金髪の少女を励ます。
「さてっかくれんぼだ。もういいか〜い?」
「こっちに来るよ」
「しっ心配するな」喉をゴクリと音を立てて体を震わせながらも少年は少女に心配させまいと言う。
「みーつけた。へへへへへはははは」
せせら笑うヘラヘラした兵士、兵士の体にはたくさんの血が飛びついている。
少年は勇気を出して前へ出た。
「俺は死んでもいいからこいつだけは見逃してくれ」
「へっへっへっわかった。先に小娘を殺してやるボルテ…」
少年が少女に触れた瞬間少女は消え、少年はボルテノスの攻撃をまともにくらって倒れた。
「ライクス!!コノヤロー」
他に隠れていた少年が木片を両手で持ち勢いよく振り下ろすがそんな攻撃も虚しくボルテノスの一言で死んだ。
「よっよくもっ」
「あん、あれっ?生きてるな」
兵士はライクスと言う少年に振り返って言った。
「魔方陣?!!」
少年はひょろりと立ち上がる。全身に無数の魔方陣をまとわせて…
「愚か者がっ」
兵士にはなにが起こっているのかわからない。死んでいるはずの人間が…
子供が無数の魔方陣を全身にまとい不気味に笑っているからだ。
それはまるで悪夢のような光景だ。
「死ね」
「しっ死ね?へへへへなに言ってやがっ…」
言いかけてる途中、兵士の頭が空中に舞い上がり爆発したかのように粉砕した。
「ハハハハハハッ、実に愉快だ。もっと赤く染まれ」
少年は同じ攻撃で次々と兵士を殺して行く、村人は一人たりとも残っていない
「逃げてみろ」
「退却ーーー」
指揮官の号令で兵士たちは村から逃げ出した。
「全てを塵に…」
「なっなんなんだあのどでかい魔方陣、見たことねぇ」
「爆発せよ…」
少年は片手を天にかざす
「クロリアス」少年を爆心地に村が塵となって消えていく、まるで原子爆弾を投下されたかのように…

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