《MUMEI》

幾度と無く、繰り返
された擬似セックス

最初は、ゲイの受け
で試した、が、何処
か、しっくりこない

……何かが違う。

そして辿り着いた結
論。自分達の思い通
りになる受けを作り
上げる事。

それには、ノンケの
男が相応しい。出来
れば容姿もそれなり
の人で。


そうして見付けたの
が、今、眼下で失神
し眠る、哀れなイケ
ニエ・麻木圭吾、そ
の人だった。


『…アナタには悪い
とは思っているんで
すよ。』

相模原父が、麻木の
髪を梳き呟く。

…でも、仕方ないん
ですよ。私達は出逢
ってしまった。


もう、運命の歯車は
…廻り始めたんです
から。


『…だから、せめて
アナタが苦痛を感じ
ないように、快楽に
溺れさせてあげます
ね、私達無しでは、
生きて行けない程に
躾て差し上げます』

悪魔の囁きは眠る麻
木には届かない。


『なぁ親父、センセ
は壊れずに、長持ち
するかなぁ?』

剛史が無邪気に尋ね
る。

『…持たせますよ』

相模原父が答える。


…私と剛史と麻木先
生は、運命共同体な
のですから…


愛されていると信じ
させて…骨の髄まで
貪って…壊さぬ様に
狂わぬ様に…貶る。


『取り合えず、明日
も、躾てあげましょ
うね?麻木先生。』

『家庭訪問の二日目
だね〜楽しみっ』

二匹の悪魔が、歪ん
だ微笑みを浮かべて
佇んでいた。



…BAD END?…

.

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