《MUMEI》 キョロキョロとベランダを見渡すが特に変わった様子はない。 「なんだろな?」 「家鳴りかなんかじゃないか?」 善彦が窓に体重をかけながら呟くと田中は呆れたように首を振る。 「校舎が家鳴りするかぁ?鉄筋コンクリート?だろ?」 そう言って、田中はひょいと窓からベランダに移動する。 「危ないなぁ。ここ3階だよ?」 「大丈夫だって。」 田中は善彦の心配を軽く受け流して、窓から見えなかった隣のクラスの方を覗いた。 前へ |次へ |
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