《MUMEI》 「…チッ」 ソウランを発動し終えた雅俊は、自分の周りを見渡して小さく舌打ちをする。 「簡単に俺の前には顔だしてくれないわけか。」 雅俊は、屋上の誰かを含めてソウランを発動したが、2人だけをソウラン内へ導いたつもりだった。 だが、実際には自分がいた特別教室棟の階段や壁が見事に持ち込まれていた。 周りを見渡すと、周りにいた生徒達は消えているのでソウランの中だと言うことは間違いが無いようだ。 雅俊はおもむろに空間に手をかざすと、自分が作ったソウランがどこまで相手に主導権を奪われたのかを確認する。 ソウランに入れられたことで、相手はすでにこちらに気付いているだろうから、遠慮なく魔法を放出した。 「…」 雅俊が念じた途端に、周りの壁や階段が一気にクリーム色に変化する。 但し、無くなる気配は無い。 「こっちに残っている主導権は60%って所か?」 前へ |次へ |
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