《MUMEI》
ジェルマ視点
†ジェルマ視点


金髪碧眼?

双子王子?

災いを齎す?

ロザリオ?

鍵?

国王が父親?
見捨てた?


…そして…

ーー死?ーー!?!


ジェルマの頭の中で
今読んだ非情な文字
が、グルグルと駆け
巡った。


…これは、僕の事?
嘘だ!嘘だよね?…


縋る様に、ラント修
道師の方を見れば、
青ざめて震え俯いて
いる。


《コレハ シンジツ》

ラント修道師の姿が
ジェルマに悟らせた


『…・・!!!』


ジェルマは、心から
凍り付く。


《…僕は、この国に
災いを齎す子供…》


ーーガラッーー


《父親(国王陛下)
は、僕を見捨てた?



ーーガラガラーー


《このロザリオは死
の枷…修道院は僕の
檻…》


ーーガラッガラガラガ
ラッッ、ガッシャーン
ンンン…ーーー


何故、僕は一人ぼっ
ちだったのか。

何故、外へ出る事を
許されないのか。

何故、大修道師長様
が自殺したのか。

何故、ケインに僕を
託したのか。

何故…何故…何故…
疑問の答えが全て一
致した瞬間…


《僕は生まれて来て
はいけなかったんだ



僕ハ、イラナイ。


コンナ、僕ナンカ、
イラナイ。


ミンナ、僕ナンカハ
イラナインダ。


僕は自分の心が壊れ
て崩れ落ちる音を聞
いた。


……その直後……


『ーーー!!ーー』



誰かが何か叫んだよ
うな気がしたがーー



ーーー意識を失った
僕には何も聞こえて
こなかった。

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