《MUMEI》

俯く総一郎の隣に神
品が戻って来た。

『東〜暗ぇよ。』

『っさいな、誰のせ
いだよ。』

二人が言い合いをし
てるうちに、講義は
始まった。

総一郎にとっては、
違う分野の講義は難
解で退屈なモノだっ
た。

睡魔が襲い、欠伸を
噛み殺している総一
郎に神品が小声で言
う。


『目的、忘れんなよ
ソ・イギョンさん』


そういえば、と思い
出し世良の方をみる


『………っ』

総一郎の席から見え
た世良の顔は真剣そ
のもので…講師の話
を一言一句聞き逃す
まいとする様に、時
折ノートにペンで書
き留めたりしている

講義中、隣の友人と
小声で意見を交わし
ていた世良が、講師
に見付かり、難問を
解かされたが、嬉々
として答えていた。


…世良、生き生きと
してるな。

総一郎は、将来の夢
があるから苦手な勉
強も頑張れる、と自
分に話してくれた世
良の言葉を思い出し
世良の真面目な姿を
ずっと眺めていた。


『ふ〜ん、これは』

そんな総一郎を隣か
ら眺める神品。


…隆の計画を聞いた
時、大丈夫かぁ?と
か思ったけど、もし
かすると、上手くい
くかもな…、まぁ世
良の為にも隆の為に
も上手くいって欲し
いけどね。(断じて
東の為じゃね〜けど
な(笑)

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