《MUMEI》

「あ…」



「?」



小さな声を漏らした椎名。


その表情は驚きの様子が一目でわかる物だった。



(ま…魔神榊…)















………………………………














赤高ベンチ。



(あいつ出るのか…


あのガタイだから気にはなってたけど、


これまで試合には出てなかったからノーマークだったな…


7メートルだけってんなら千秋出してもいいけど…


もしこのまま出場して来るんならプレーを見せてから千秋を出したいとこだな。)



「やっぱ交代はなし。」



「ま…」



「は?」



クロの言葉に対し、


千秋の答えは『ま…』。



クロは思わず聞き返す。



「魔神榊…」



「はぁ?」















………………………………














「ピッ!!」



審判の笛が鳴る。



ヒュッ!!



と、


同時に投げられるシュート。


フェイクは一切ない。













ガシャァァァァンッ!!!!!!!













ボールはゴール後方。


ゴールを支える金属部分に当たり派手な音を鳴らした。



「ナイッシューッ!!!!!!」



(な…なんつ〜シュートだ…)



4対2。
















………………………………



(…魔神?)



………………………………

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