《MUMEI》
森B
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相変わらず少女の死体は、風に揺られて、ギィ…ギィ…と不気味な音を立て続けている。右に左にユラユラ揺れるその躰から目が離せなかった。

「…半年過ぎてもまだ残っているんだ。もっと腐って見る影もないかと思っていたけれど」

疲れた声でリュウジは言った。そして、「どうしよう…」と泣きそうな声で呟いた。

死体の腐乱は間違いなく進んでいた。清らかだった肌は黒ずみ、所々溶けていた。艶々だった黒髪も抜け落ち、輝きを失っていた。たくさんの虫が躰中を這いつくばっていた。せっかくのセーラー服までもが雨風に晒されて、生地が傷み始めているようだった。

隣のリュウジがまた、「どうしよう…」と言った。

「…何でこんなことになっちゃったんだろう?こんな酷いこと…こんなはずじゃ…」

続いて嗚咽が聞こえてくる。リュウジの啜り泣きを聞きながら、わたしは死体をまっすぐ見つめていた。

風が吹き抜けた。強い異臭を運んできた。少女の髪の毛が揺れる。ユラユラ、ユラユラと絶え間なく揺れ続ける。


遠くから、獣の叫び声が響いてきた…。



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