《MUMEI》
目覚め
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リュウジがまた母親に殴られていた。泣いて懇願しても母親は許さず、その拳を何度も何度もリュウジの顔に目掛けて振り下ろしていた。

暴力に耐えかねたリュウジは死に物狂いで逃げ出した。母親は何かを喚きながら彼を追いかけた。わたしも二人の後を追った。

リュウジは部屋の隅に追いやられた。母親は息を切らせて仁王立ちしていた。その手にはいつの間にか包丁が握られていた。リュウジは腫れ上がった顔で母親を見上げていた。涙が幾筋も頬を伝っていた。


このままでは危ない。

リュウジが殺されてしまう。


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