《MUMEI》
帰宅…好感度
家のドアに手を掛ける

「…ん?」

開かない。留守か?



俺は小さく溜め息を吐いてカバンから鍵を取り出した

カバンを開けた時に茶封筒がある事を確認しながら。



鍵を挿し、回してドアを開け




「ただいま…」

習慣的になってるその言葉を言った






………返事が無い、いや
















返事は、ない











靴は…ある









居留守か







「将隆《マサタカ》、居るんだろ」


階段の上に向かって声を掛けてみると



『あー。』

弟のだらしない返事が返ってきた





それを背中で聞きながら靴を脱ぎ、俺も二階へ上がった。



「お前、部活は?」


何をするでも無く絨毯に寝転がって俺の方…入口に背を向けて居る、弟に訊くと

『休み』

短く答えて弟はこっちを向いた





『兄ちゃんさ…』
「ん?」





俺を見つめる瞳も、




『兄ちゃんの今の恋人、男?』


家族の誰より、


「…なんか、問題ある?」


『いや…』


垂れ下がり過ぎていて、





醜い





並より、少しマシな程度なその容姿で…よく生きていられるな





「なんか、不安?」


『…まあね』

弟は言うと共に起き上がって胡座をかきテレビをつけた





俺は、弟に対してだろうと





「心臓の鼓動聴くと、安心するって聞いた事無いか?」


















好感度を上げておく事は忘れない

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