《MUMEI》

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半年前、あの森でリュウジに殺されそうになった。わたしは無我夢中で抵抗した。死にたくなかった。少女を躊躇いなく殺したクセに全く自分勝手極まりない。頭の中が真っ白で何がどうなったのかわからない。気がついたら、リュウジが倒れていた。彼の首にはロープがきつく巻かれていて、両目は大きく見開かれていた。死んでいた。

物言わぬリュウジを前に、わたしは絶叫した。信じられなかった。泣き虫のリュウジがわたしを否定したことを。臆病なリュウジがわたしを殺そうとしたことを。ずっと一緒にいたリュウジが、こんなにあっけなく死んでしまったことを。

わたしの叫びは森に吸い込まれた。やっぱり辺りは変わらず静かだった。

わたしはリュウジの肩を抱き上げた。とても重く、温もりは急速に消えていった。泣いた。涙が止まらなかった。

わたしはロープを握りしめた。そしてリュウジを木に吊るそうと思いついた。吊るした。立派な木の枝には腐りかけの少女と青白い顔のリュウジが仲良く並んでぶら下がっていた。これならリュウジも寂しくないだろうと思った。

わたしは二つの死体を残し、森から去った。



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