《MUMEI》

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刑事から取り調べを受け、わたしは包み隠さず全てを話した。供述した通りの場所で死体が見つかり、破損した車が動かぬ証拠となってわたしは殺人容疑で逮捕された。

後日、現場検証とかで例の森に連れて行かれた。あの立派な木は以前と変わらずそびえ立っていた。手錠と腰縄をつけたまま、捜査員達と一緒に淡々と確認作業を行った。検証はすぐに終わった。パトカーまで連行される途中、わたしはずっと気になっていたことを傍にいた警官に尋ねた。


どうして、リュウジだけ吊るされたままなんですか…?


わたしの質問にその警官は眉をひそめた。意味がわからないという顔つきだった。わたしは振り返ってあの木を見た。

太い枝には、ロープで首を括ったリュウジがぶら下がっていた。少女の死体は片付けられていたのに、リュウジはそのまま残されていた。彼は今でも輝きを失った瞳でわたしをじっと見つめている。

音もなく、ユラユラと身体を左右に揺らして…。



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