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《MUMEI》 「このタイミングかよっ…」 咄嗟に浮かせた足を一段目に乗せ、構えを取る。 雅俊のいる場所から屋上への階段は途中で踊り場があって、扉は見えていない。 扉が開いたと言うことは、雅俊のほぼ真上に、その相手は居ることになる。 おそるおそる、階段の上を見やるが、相手が雅俊の事をのぞき込まない限り見えはしない。 「…ドーナッツ」 「は？」 小さな声で、しかし間違いなく、屋上の扉付近から声が聞こえた。 「…どーなっつ…って…？」 前へ |次へ |
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