《MUMEI》

…止めろ、もう止め
てくれ!これ以上、
罪を重ねるな!

止まらない残虐行為
が、リュオンを元に
戻せないのだ、と告
げていた。

…終わらせる方法は
一つだけ。

…リュオンを救うに
は、そうするしかな
かった。

『リュオンーー!』

俺は、愛剣をきつく
握り締め、リュオン
へと切り掛かって行
った。

キン!ガキッ!

激しい責めぎ合いが
数分続き、肉を切り
裂く鈍い音と共に、
リュオンの身体が床
に崩れ落ちる。

『うわああぁぁぁぁ
ぁぁーーーリュオン、リュ
オン、リュオーーンー
ーーンン』

息絶えた血まみれの
身体を抱いて、泣き
叫んだ。


†††††††††


リュオンを拉致した
一味はアジトを突き
止め根絶やしにした
が…肝心な薬の出所
は一切不明で、次々
にリュオンと同じ様
な哀れな犠牲者が現
れた。

必死に薬、根絶の為
動く俺を嘲笑う様に
ある日を境に、薬の
足取りが消えた。

今思えば、国王が新
薬を封印したから、
薬も出回ら無くなっ
たのだろう。

巷にも、薬の残存は
無いはずだ。しかし
じーさんの懺悔録に
は、新薬の秘伝書が
あると書かれていた

もし…それを悪用す
る輩がいるとしたら
…?また惨劇が繰り
返される!と、すれ
ば、俺のする事は…
秘伝書の隠し場所を
探り当てて抹消する
事だ。

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