《MUMEI》

「市原てめぇッ!!!!」



ディフェンスに戻る秀皇。



「いやいやいやいや。」



小走りの3人。


要兄弟は身勝手な市原のプレーに不満だった。



「何がいやいやだッ!!」



「ふざけんなッ!!」



「ふざけてないっすよ。」



半笑いの市原。


態度は完全に『生意気』だった。



「つか…」



「あ?」



「ふざけてんのは先輩でしょ?」



「「なっ…!!」」



「何速攻外してんすか?


ギャグとしか思えないんすけど。


俺が打った方が確率高いと思ったんす。


ほら?


俺元々は45だったわけだし、


ロングもいけちゃうんで。」



その態度は少し度が過ぎていた。


先輩をバカにした態度。


周りも見ていて気分の良い物ではない。



「お前…試合終わってから覚えとけよ。」



「…はいはい。」



(そういうことはちゃんと仕事してから言って欲しいもんだな。)



追い上げる秀皇だが、


チームの雰囲気は最悪。


雑念は集中力を奪った。


攻め込むタイミングは今。


で、あったが、


そんなチーム事情を知る由もないクロは、















………………………………














赤高ベンチ。



「…何やってんだあいつら。」



試合展開的にお喋りという雰囲気でもなくなってきたベンチ。


クロは佑香との会話を中断し試合を観戦。



ガタッ…



ため息混じりに席を立ち、



「タイムアウトお願いしゃ〜す。」



タイムアウトを取る。

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