《MUMEI》 「あの…クロさん?」 「はいはい。」 千秋と交代しベンチに戻った久保が口を開く。 「…すいませんでした。」 「…は?」 「いや… 俺全然動けなかったから。」 「あぁ…いや、1点で上出来。 ぶっちゃけさ? それ以上は期待してなかったから。」 「え…?」 「ん…いや。 い〜から試合見なよ。」 「は…はい。」 (張り切ってたんだろうな〜。 僕も初スタメンの時はそうだったな… すげ〜活躍する妄想いっぱいしたけど… 現実はそうもいかない。 上手くなる上でそういう経験も実は大事。 お前はまだまだこれから。) ……………………………… 「ピッ!!」 審判の笛が鳴る。 動き出す時計。 赤高はセンターラインを越える。 「1本行きましょ〜ッ!!」 前へ |次へ |
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