《MUMEI》

「ポストッ!!」



(やっ…!!)



椎名の突破によりディフェンスの注意が集中。


自分を止める為にできたディフェンスの穴。


椎名はそれを見逃さない。


あらかじめ打ち合わせていた訳ではないが、


そういったパスに対し、



(…ちまった!!)



「うぉっとぉッ!!!」



千秋の反射速度は光る。



(あ…)



シュートフォームに入る千秋。


正面から対面したその瞬間、


上野の記憶ははっきりと蘇る。



(こいつ…!!


見たことねぇッ!!


前の試合はディフェンス要員だ!!)



「くそッ!!」



(もっと早く気付けよ自分ッ!!)



「ん〜っりゃッ!!」



シュートを打つ千秋。



(しょっ…)



バスッ!!



(しょっぺぇ…)



「ナイッシューッ!!!!!」



5対3。



千秋のシュートは決まる。



「ナイッシューッ!!」



ディフェンスに戻る赤高。



「へへ…」



仲間からの声援に照れ笑いの千秋。


一方…



「何してんだお前?」



「…っせ。」



「何だお前その態度?」



「…悪い。


あんましょぼいシュートだから逆に気ぃ抜けた。


もう大丈夫。


あいつには点やんねぇ。」



「…ま、い〜けど。」



「元々は市原が抜かれてんのが原因だし。」



「はぁ!?」



秀皇は空気の悪い状態が続いていた。



「早くしろッ!!」



ベンチから聞こえる叫び声。



「…行くぞ。」



「…ったく。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫